2005広島東洋カープ戦力分析

今日はセリーグ5位になった広島東洋カープの戦力分析です。

カープを去る選手■

【引退】
瀬戸輝信      →1軍バッテリーコーチ就任
朝山東洋      →3軍コーチ就任へ

自由契約
・鶴田泰       →中日で打撃投手に転向
・西川慎一      →現役続行希望
・横松寿一      →米球界挑戦へ
・矢野修平      →現役続行希望
・酒井大輔      →中日で打撃投手に転向
西山秀二      →讀賣へ移籍
アンディ・シーツ  →阪神へ移籍
トム・デイビー
クリス・ブロック
・マーク・ワトソン

【トレード】
町田康嗣郎 →阪神(金銭)
菊地原毅  →オリックス
玉木重雄  →楽天(無償)

カープに移籍入団する選手■

【外国人新入団】
・マイク・ロマノ(投手・3Aリッチモンド)   

【トレード】
上村和裕(捕手・オリックス
山崎浩司(投手・オリックス) 

【移籍入団】
福井敬治内野手・巨人)

カープに新入団する選手■

【1巡目】
・佐藤 剛士 秋田商 18歳 投手 185cm 84kg 右投右打
 秋田の大型投手。ボリューム感のある速球は本物と思える。そこにドロップ気味に曲がるカーブを投げれるフォームは、今後の伸びシロを感じさせる。ただ、多くの課題があることは否めない。フィールディング・牽制等の技術面はプロで鍛え上げる事が良いかと思える。初めの1年は、体力作りと肩を休めて将来カープのエースに君臨してもらいたいものである。

【3巡目】
・森 跳二 生駒〜関西外国語大 22歳 投手 184cm 84kg 右投右打
 阪神大学リーグで30勝した好投手。140km前後の速球と変化球を駆使して打者を打ち取る印象の強い投手。本人曰く特別な技術指導がなくこれだけの実績を上げたことは素質があると言えるのだろう。プロの指導者に導いてもらえれば大きな飛躍も期待できる。顔が「横浜佐々木」に似ていることから「赤魔神」で売り出す見込み。実力で「大魔神」を超えてもらいたいものである。

【4巡目】
・丸木 唯 輪島実 18歳 投手 181cm 73kg 右投右打
 まだまだ荒削りながらもMAX146kmの速球が武器の右腕。癖が無いフォームでカーブスライダーなどを持ち球にする。数年大学に進学したつもりでファームで鍛え将来に期待したい。

【5巡目】
・小島 紳二郎 国士舘国士舘大 22歳 投手 183cm 82kg 左投左打
 高校時代からドラフト候補として注目を浴びてきた左腕。ただリズム感や制球力に欠けている点が課題。速球は左腕としての逸材であるとは確かなので、技術的にレベルアップをすれば面白い存在になる筈。ただ、現状のままであると多少活躍するだろうが長続きは出来ない。

【6巡目】
・梅津 智弘 上山明新館〜国学院大 21歳 投手 191cm 85kg 右投右打
 球速は130km中盤という何処にでもいそうな投手。ただ、身長191cmのサイドハンドからは両サイドに変化球を散らす事が魅力的。また球の出所が見にくいフォームも打者にタイミングが取りにくいという点が優れている。ロッテの渡辺俊をイメージしてもらったらいいが、渡辺ほど活躍できるとは現時点では断言できない。ボールを速く見せる技術など細かい部分で打者が嫌がる技術を習得すればプロの世界で生き残れるだろう。
    
【7巡目】
・金城 宰之左 中部商 18歳 投手 186cm 91kg 左投左打
 高校時代は怪我に泣かされた感が強いが素材は充分。ストレートは135km程度であるが大きく曲がるカーブが武器になる。まだまだ発展途上の素材である事から、ファームで基本的なフォームを確立し基礎を固めればようやく戦力として計算できるだろう。焦らずに育ててくれる事を祈りたい。

【8巡目】
・田中 敬人 別府大付〜駒澤大JFE西日本 25歳 投手 185cm 76kg 右投右打
 昨年チームを日本一に導いた功労者。フォークを身につけて大きな成長を遂げた。綺麗な投球フォームからは145kmの速球とカーブ・シュート・スライダーと多彩な変化球を投げ込む。課題は筋力が不足気味な点。課題を克服して1年目から即戦力中継ぎ投手として活躍する事を期待したい。

 ※年齢はドラフト時の年齢です。

■戦力分析■

7年連続Bクラスの広島カープ。ファンの間では色眼鏡采配の山本浩二監督から野村謙二郎へ早くも気持ちが変わっているらしい・・・。
毎年のように主力を奪われ続けているカープ。だが、去るものを追わない考えはポリシーを感じさせられる。こういうチームだからこそ、苦節10年の嶋のような選手が開花するチャンスがある。

リーグ最低の防御率が懸念材料である。その為、新人7名全て投手を指名を敢行した。まずは投手陣から分析したい。
最優先課題の先発は昨年7勝に終わったエース黒田を中心としたローテーション。そこに昨年抑えで当確をあらわした大竹や高橋・佐々岡のベテラン勢。背番号を変えて気分一新の長谷川、昨年プロ入り最高の8勝の河内などが候補と言える。そこに新外国人のロマノや小山田なども先発候補と言える。何れにせよ、ローテーションを1年守り、黒田に続く投手の台頭が望まれる。
中継ぎはエース格に天野は今年も計算でき、左の佐竹も貴重な働きが期待できる。そこに林と広池が割って入る。沢崎や小林幹英もベテランの力が期待される。そこにルーキーの田中や森などが食い込んでくれば、玉木を楽天に放出した穴は埋まるかも知れない。またアカデミー出身の先発候補のフェリアシーノも化けてくれたら儲けもので、苫米地もこのまま腐るわけには行かない。ただ、まだまだ中継ぎは不足している感は否めない。
クローザーは2年目のジンクスで苦しんだ永川に期待したかったが、チーム最多勝のベイルを抑えに回す方針が決定した。永川は出来次第であると思うが、セットアッパーとしてチームに貢献したいところ。

外野手は、まず一番手は「赤ゴジラ嶋」の台頭が大きい。外野二つのポジションをベテランの前田・緒方の併用説があるが、緒方は1番センターで起用したい。レフトを前田と森笠で競うという構図になりそう。前田はフル出場ができる体ではない為にその辺りのケアも首脳陣としては判断が必要になる。
内野手は、4番シーツが抜けた穴は大きく二遊間がすっぽりあいた印象。三塁にラロッカを固定し、ショートには尾形を据えるだろう。セカンドはキムタクか?岡上なども虎視眈々としているのか?栗原はサードかファーストでポジションを奪いたいが、ファーストには新井と野村がいる。うまく世代交代を視野に入れながら構成したい。
捕手は完全に石原が独り立ちできた。控えは木村一で右の代打としても期待される次に続く捕手がいない印象。昨年も触れたが、白濱を育ててほしい。

世代交代がうまく行けば、ペナントの台風の目にもなるだろう。ただその為には、投手力の整備と守備力の向上が絶対条件である。課題としては、勝つ野球を知っているベテランがいるうちにうまく若手を育てなければ、新球場ができる頃に選手の空洞化が発生しないかいささか心配になってきた。

2005年2月25日

-以上-