2005横浜ベイスターズ戦力分析

今日はセリーグ6位になった横浜ベイスターズの戦力分析です。

ベイスターズを去る選手■

自由契約
・河原隆一  →スカウト転向
富岡久貴  →西武へ移籍
宇高伸次
鈴木健之  →引退
・渡辺雅弘  →ブルペン捕手転向
七野智秀  →社会人野球JFE東日本に移籍
小川博文  →オリックス球団職員
デニー友利 →マイナー契約で大リーグ・レッドソックス入りが決定
ピート・ウォーカー
・スコット・マレン
タイロン・ウッズ  →中日へ移籍


【トレード】
中村武志  →楽天


ベイスターズに移籍入団する選手■

【外国人新入団】
・ケビン・ウイット(内野手・3Aメンフィス)
マーク・クルーン(投手・ロッキーズ
マイク・ホルツ(投手・3Aダーラム)


ベイスターズに新入団する選手■

【自由獲得枠】
那須野巧 駒場学園〜日本大 22歳 投手 192cm 84kg 左投左打
 190cmから繰り出すMAX149kmの速球に定評があるが、三振を取るタイプではなく両サイドを丁寧につく投球で打たせて取るスタイル。変化球もスライダーでカウントを稼ぎチェンジアップやカーブで緩急もつける事ができる。先発型の投手であるが、1年目からフル回転できるかは甚だ疑問である。ただベイスターズになれた数年後には先発ローテに欠かせない投手になる可能性は十分秘めている。


【自由獲得枠】
染田賢作 郡山〜同志社大 22歳 投手 183cm 82kg 右投右打
 大学4年の春に完全試合を達成してからは、覚醒した右腕。ランナー無しでもセットポジションから投球するスタイルで140km前後の速球を投げる。変化球も多彩で、緩急を効かせて的を絞らせない。三振を取れるフォークボールも魅力的である。ただ、投球フォームに癖があるので、持ち味を消さずにフォーム修正が出来なければ苦労するだろう。課題をクリアすれば新人王も見えてくる筈。


【4巡目】
・藤田一也 鳴門一〜近畿大 22歳 内野手 175cm 68kg 右投左打
 大学No.1の呼び声も高いショートの守備力。ただ、慣れれば手を抜く気質があるらしく大学時代の高学年になるに連れて失策数が増えたのが気がかり。能力は十分故に心理面が課題。打撃面は、大学時代に2度首位打者に輝いた事もあるミートセンスは十分。ただ、体力面での不安は拭えない。まずは焦らずに体格を大きくし精神面で成長をして土台が整えば、石井琢からポジションを奪えるだろう。


【5巡目】
岸本秀樹 平安〜近畿大 22歳 投手 188cm 83kg 右投右打
 剛球型の投手でMAX151kmの速球が持ち味。ストレートが力み高めに集める傾向があるが力強い球は打ちづらい筈。ただ、変化球には課題が多い。素質は充分あるので、まずはストレート以外の球種でカウントを取れるように成長すれば、大きく羽ばたける。あとは、プロの育成に期待したい。


【6巡目】
・石川雄洋 横浜 18歳 内野手 180cm 78kg 右投左打
 昨年の甲子園でシュアなバッティングを如何なく発揮した持ち主。ただ、打撃に感しては、始動が遅くしっかりとしたスイングは出来ないだろう。この始動を修正する事が、まずは必要と思える。(それとも筋力を半端なく強くするか)打撃の軸はしっかりしているのでこのタイミングさえ克服すれば期待はできる。


【7巡目】
・橋本太郎 大体大浪商 18歳 投手 183cm 80kg 右投右打
 球速は高校生レベルでは充分のMAX143km。ただ、変化球は平均レベルと言える。野球センスの塊と言うタイプではない印象。大学に進学したつもりで4年間トレーニングして見るのも良いかと思える。そこで、縦系の変化球と緩急をつける変化球の切れ味をあげる事で活躍する可能性が出てくると思える。


【8巡目】
桑原義行 日大豊山〜日大 22歳 外野手 180cm 86kg 右投右打
 東都大学リーグで首位打者経験があるアベレージヒッター。守備・走塁は特に問題なくプロレベルでも通じると思われる。当面は、金城タイプの外野手を目指して一軍定着を目指したい。


【9巡目】
松家卓弘 高松〜東京大 22歳 投手 184kg 80cm 右投右打
 史上5人目東大卒のプロ野球選手。オーソドックスなフォームで140km前後の速球を投じる。チェンジアップも良い。3年時に故障・怪我との闘いがあり十分にトレーニングできなかった事は痛い。才能は十分あるが、故障しない体力作りをする事が大前提。現状のままでは、辛いプロ野球生活が待っているかもしれない。いい意味で裏切ってほしい。


【10巡目】
斉藤俊雄 豊田大谷三菱自動車岡崎 20歳 捕手 180cm 74kg 右投右打
 高校時代から強肩・強打で知られていた捕手。高校通算47本塁打は期待ができる。社会人時代に活動自粛という辛さも経験した。あとはベイスターズで正捕手争いに挑むのみ。


※年齢はドラフト時の年齢です。


■戦力分析■

3年連続最下位。05年は43歳の新監督牛島氏が就任。巻き返しを図る。


先発投手陣は、ハマの番長三浦を軸に左の吉見と昨年途中入団のセドリックは働いてもらわないと困る。次にルーキーコンビ(染田・那須野)のどちらかが充分実力はあると思えるので、最低一人は計算したい。そこで土居・吉川の旧自由枠コンビが当確を現す事と少しは楽になるだろう。あと、今年から中継ぎで活躍していた加藤武治を先発に転向させるプランもあるのでこの辺りからローテションは選ばれる見込み。またベテランの斎藤隆・若田部あたりも復活してくればひとまず連戦になってもやりくりはできるだろう。
中継ぎ・抑え投手は引退覚悟の大魔人佐々木と昨年佐々木不在時に抑えを経験したアゴ魔人門倉を後ろに構えさせる。そこまで繋ぐ中継ぎは「川村・土肥・木塚・山田」等が昨年通りの力に期待したいが疲労も気になるところ。そこで新外国人のクルーンもうまく実戦で試して結果が伴えば、セットアッパーにもしたいところ。ただ左投手不足は昨年から同じで稲嶺はある程度計算できるが、ホルツは未知数、森・岡本・飯田辺りから一人でも出てきてくれたら首脳陣も安心できるかも知れない。あとは、佐々木がどれだけ本来の投球ができるかが大切だろう。仮に満足な投球が出来なければ見限る勇気も必要である。


攻撃面は本塁打王ウッズが中日に移籍。その代わりには4番多村に期待したい。昨年の40本が「飛ぶボール」のお陰と言われない為にも名実共にスラッガーの道を極めてもらいたい。また、新外国人のウィットも3Aで本塁打王の経験もあるのでまだ未知数であるが、横浜の外国人選手の引き運は強いので期待はできるか?
内野手石井琢を中心とし、内川を二塁で三塁を村田と種田で競う事になりそうである。そこにルーキーの藤田やヘラクレスのような体をした吉村、北川、木村も期待できるだろう。またイースタン盗塁王野中も期待がかかるが、打撃力を向上させる課題もある。
外野手は多村・金城は確定したい。昨年活躍した佐伯を外野にするか一塁にするか悩ましいが、ウィットの出来次第で変動すると予想される。そこにかつての首位打者鈴木尚松坂世代の古木・小池や田中充・田中一・ルーキー桑原なども若手も虎視眈々とポジションを狙っており、充実度は充分である。


捕手は相川で決まり。アテネでの経験が自信になっている。第二候補に小田嶋が攻撃的捕手として名乗りをあげたい。中村が楽天に移籍したので若手に充分チャンスがあるポジションと言える。


全体的に見て打高投低のチームの印象であったが、即戦力投手の加入と本塁打王の移籍、使用球の変更で少しチーム方針を変えてくると思われる。また昨年気になった5回までは活発な打線が、6回以降沈黙する原因不明の事態も解決しなければ接戦がものに出来ないと思える。その問題さえクリアすればリーグ1の打率を誇る打線故に心配はない。


ただ、投手陣は絶対的に左腕は不足しておりこの問題は将来的に深刻なものになると言える。昨年も同じ事を記載したが今からでも遅くないので左腕獲得をするべきだろう。
かつて日本一を経験したチームを新監督がどのように改革するのだろうか?少し見守りたいのもだ。


2005年2月23日


 -以上-