2005阪神タイガース戦力分析
今日はセリーグ4位に転落した阪神タイガースの戦力分析です。
岡田監督も2年目になり結果がほしいところ。
■タイガースを去る選手■
【引退】
・八木裕 →野球解説者
【自由契約】
・伊良部秀輝 →現役続行を目指し、右ひざのリハビリ中
・吉田篤史 →横浜1軍投手コーチ就任へ
・竹下慎太郎 →一般の会社に就職
・細見和史 →台湾プロ野球統一への移籍
・加藤隆行
・新井亮司
・梶原康司 →社会人野球松下電器へ移籍
・早川健一郎 →一般の会社に就職
・ジェロッド・リガン
・マイク・キンケード
・トレイ・ホッジス
・ロッドニー・マイヤーズ
・ラモン・モレル
・ジョージ・アリアス →ワシントン・ナショナルズとマイナー契約
【FA宣言】
・藪恵壹 → アスレチックスへ移籍
■タイガースに移籍入団する選手■
【外国人新入団】
・ダーウィン・クビアン(投手・3Aオタワ)
・アンディ・シーツ (内野手・広島)
・シェーン・スペンサー(外野手・3Aコロンバス)
・ジェイミー・ブラウン(投手・レッドソックス)
■タイガースに新入団する選手■
【自由獲得枠】
・能見篤史 鳥取城北〜大阪ガス 25歳 投手 180cm 70kg 左投左打
球速145kmで先発・リリーフの両方に対応できるタイプの左腕。スライダーは「滑る」ような曲がり方で打者を翻弄し、チェンジアップで緩急をつけ勝負どころは低めの速球で唸らせる。ただ、追い込むまでの投球に課題が多く、縦の変化球が無い為に単調なリズムになりかねない。ただ、社会人No.1レベルの左腕である事は確か。あとは、マスコミの取材攻勢やタニマチ対策をして野球に専念できるように心がけたいところ。
【自由獲得枠】
・岡崎太一 智弁和歌山〜松下電器 21歳 捕手 180cm 83kg 右投右打
ガッチリとした体格で強肩・強打の捕手。2塁への送球も1.8秒台とアマチュアレベルでは上位。フットワークもよくワンバウンドの反応も早い。ただ投手が炎上した状況で、冷静さを欠く事がしばしば見受けられる。打撃は土台の基礎が出来ているが、開眼はしていない状態。まずはファームで経験を積み、ポスト矢野の候補に上りつめたい所だ。
【4巡目】
・橋本健太郎 久御山〜東北福祉大〜日本新薬 24歳 投手 190cm 85kg 右投右打
球速は130km〜140kmのストレートを投げ込む。長身を生かしたフォーク、スライダー、チェンジアップなどの変化球を駆使する。そこそこの投手という印象であるが、最大の売りは「球の出所が見え難い上に、なかなかボールを放さない」所である。打者を翻弄する最大の要因と言える。この技術を最大限に生かせれば、ホークス和田のような投手に大化けする可能性はあるが、ファームから抜け出せない可能性も充分にある。
【5巡目】
・大橋雅法 北陽 18歳 捕手 183cm 73kg 右投右打
捕手入団であるが、打撃を生かしてコンバートされるような気がする。打撃に対する潜在能力は充分期待ができるが、効率の悪いスイングをどのように改善指導するかが鍵となる。打撃面の長所を伸ばしてプロの世界で生き抜いてもらいたい。ただ、現状は相当の努力が必要と思われる。
【6巡目】
・赤松真人 平安〜立命大 22歳 外野手 182cm 72kg 右投右打
俊足・守備ではプロレベルの外野手。赤星タイプの選手であるが、大きな違いは打撃面。ミーとセンスのある打撃は明らかにインパクトが弱い。球威のある速球に対して力負けする上にスイングの始動が遅い。打撃面で改善すべき課題は多すぎるといえよう。赤星の再現といきたいところだが、社会人に行ったつもりで2年はファームで鍛える方が良いと思える。
【7巡目】
・高橋勇丞 済美 18歳 外野手 175cm 68kg 右投右打
春優勝で甲子園を沸かせた済美の一員。荒削りであるが、バットに当たった破壊力はGood! ただ、打撃の始動が遅いために上のレベルでどれ程通じるかは現時点で未知数といえる。三拍子揃った選手を目指したいところだが、夏の大会を寮の規則を違反しメンバーから漏れた為、実戦から離れている。実戦感覚を取り戻し、持ち前の勝負強さ甲子園で暴れたいものだ。
【8巡目】
・辻本賢人 マタデーハイスクール 15歳 投手 181cm 75kg 右投右打
史上最年少で指名され入団。ドラフトの話題の中心になった。142kmの速球を投げる逸材である事は確かであるが、まずはプロの練習についていく体作りが先決。焦らずじっくりと育成してもらいたい。ちなみに昭和64年生まれの選手で、平成生まれ第一号にはならなかった。
【9巡目】
・玉置 隆 市和歌山商 18歳 投手 180cm 70kg 右投右打
ストレートとカーブ主体で打撃のセンスも充分にある。一時は打者で勝負する噂もあったが、投手1本に絞った模様。当面は変化球の種類を増やす事と体格を強くする事が課題になる。余談であるが、歌手:玉置成実のいとこにあたる。
【10巡目】
・水落暢明 信太 19歳 投手 183cm 78kg 右投右打
平安高→信太高という球歴の持ち主。大阪大会ではMAX143kmを記録した速球が売り。カーブのキレも自信があるらしい。規定により信太高3年時は公式戦に出場できなかった。ただ下位指名を跳ね返す期待は充分に持てる。
※年齢はドラフト時の年齢です。
■戦力分析■
2連覇の夢を持ったファン達はやきもきさせられて最後は失意に落ちた一年だったのかもしれない。開幕の讀賣戦を3タテ食らわせたのに何故か波にのれなかった。勝負強かった打線も繋がりを失いチグハグだった印象が強い。
まずは投手陣から。阪神のエースはポスティング問題で契約がもめた井川。泣いても笑っても働いてもらわないと困るだろう。続くのが右の福原・左の下柳といった所。また先発に転向する安藤や昨年5勝と躍進した三東にも期待がかかる。あとは新人の能見や新外国人のブラウンのどちらかでもローテに入ればありがたいところだろう。先発予備軍の杉山・筒井・江草・前川なども存在感を見せたい所だろう。怪我で遅れている太陽なんかもうかうかしてられない。いずれにしても井川がコケたら終戦になる。
03年の最強の中継ぎ陣が脆くも崩壊したが、今年は再建を図りたい。ストッパーには久保田を擁立し、セットアッパーにジェフ(ウィリアムス)が君臨する。そこに復活を期する吉野や昨年44試合登板した桟原で試合を組み立てたい。また計算はしにくいが藤川・金沢・牧野も忘れてはならない。あと今年こそ鳴尾浜で鍛えている中林・新井智・田村などの未完の大器組も先発中継ぎ問わずに経験を摘めばよい流れになるだろう。
打線はテーマは今年も「つながり」が重要と思われる。四番には鉄人金本、五番に今岡を起用し勝負強さを生かす方向のようだ。また広島からシーツが加入した事で内野陣の厚みが一段と増した。結果、関本・藤本・鳥谷から二遊間を選ぶ事になりそうだ。またベテランの片岡も老け込む年では無いだろう。レギュラー復活を狙っている筈だ。
外野は金本・赤星は確定組。仮に怪我などがあった場合のみ心配すればいいだろう。問題はライト。当分は檜山で問題無いが、桜井や葛城なども底上げはあるだろう。スペンサーは別に期待はせずに打てばラッキー程度の扱いで良い。後は怪我に悩まされている濱中おさむ。完全復活すれば使いたい選手と言える。ただ、個人的には一塁手にコンバートしても良い気がする。
各ポジションで熾烈なレギュラー争いが展開されているが、捕手は矢野と野口で問題ない。多少矢野がキャンプで出遅れているが、ベテランゆえに開幕には間に合わせるだろう。ただ将来的にポスト矢野を考えた場合、浅井と岡崎を第三の捕手として競わせ若手からの押し上げを期待したい。うまく矢野が元気なうちに後継者を育てないとヤクルトのような状態になる懸念がある。
最終的には、関西の過敏なマスコミの取材攻勢など野球以外の要素にも敵がいる為に油断は禁物。昨年は明らかな優勝ボケでチームがまとまっていなかった印象が強い。再び挑戦者の気持ちになり気持ちを引き締める事が大切かもしれない。
2005年2月26日
-以上-