R-1ぐらんぷり2008 準決勝東京(2/9)

今日はR-1ぐらんぷりの準決勝をルミネtheよしもとにて観戦するために東京へひとっとび。
今回も満員御礼の立ち見だらけの会場に入れた人としての責任として簡単にレビューをしたいと思います。
しかし、大阪から東京への移動が大雪のため、飛行機が3時間くらい遅れましたけどね。何とか間に合ってひと安心。

さてMCははりけーんずです。M-1と一緒でマイペースなMCぶりで会場を適度に温めますね。
では、各ピン芸人のレビューを書きます。合計35人の面白芸人が出場されました。あと、素人の癖に寸評をつけています。もしご本人や関係者の方が見られて気を害されるかもしれませんので、予めご了承願います。あんまり気にせず読み流してくださいね。あと固有名詞に敬称は省いてます。
(私の10点満点評価もご覧下さい。)

アントキの猪木(マセキ芸能社) アントキのドライブ 6点
ドライブに行く猪木をモノマネしながら出会う人全てが、猪木風。
カーナビの案内で「この道を…」のくだりなんかは上手やなぁと感心させられました。その後、コンビニとガソリンスタンドに行き「現金ですかー!」って連呼していたね。まぁ最後は少しお疲れ感もあったのは否めないです。

・アップダウン阿部(吉本興業 東京) コント:通信販6.5点
細かすぎて伝わらないモノマネで有名になった「いらっしゃいませ」=「エアロスミス」のアップダウン阿部。
色々な「いらっしゃいませ」というフレーズが入っているDVDを通信販売で発売しているというコント。
八百屋とかガソリンスタンドの「いらっしゃい」は力技ですが、何となくその世界に引き込まれますね。ただ、ネタに大爆発する瞬間がチョッとなかった気がするのがもったいないです。

友近(吉本興業 東京) 教習所でのオバハン 7点
教習所に通い続けたオバハンが、新入生と世間話をする設定コント。
ほんまにいてそうなオバハンの描写ですが、少しキラーフレーズが少なかったような気がしますね。
ツカミの部分で「松原さんの話題」が完成度が高かったので、その後のボケが少しこじんまりしていた感は否めないですね。オチも少し友近の割にベタだったのがもったいない。

鳥居みゆき(サンミュージックプロダクション) まさ子の妄想夢芝居7.5点
今日の目的その1芸人。一度生で見てみたいと思っていた鳥居みゆき。個人的にマイブームです。
「ヒットエンドラーン♪」から「人形劇」「紙芝居(桃太郎)」「牛丼」という独自の流れ。この芸人さんのテンポと構成は最高ですね。このキャラであれば、決勝進出させてほしいですね。茶の間を度肝を抜かせるパワーは持っているでしょう。期待しています。
また生で見たい芸人さんである事は確かです。

エド・はるみ(吉本興業 東京) ダンシング教室6.5点
「グー!」っていいたいだけのおばさん芸人。レッドカーペットとかでも見ていたけど生で見るとなかなかのパンチ力ですが、正直4分間をもったいない使い方しているなぁって気がしたんですよね。
ダンスをしながら「グー!」っていう連続技が、最初のダンスと2回目のダンスが同じ印象だった。もう少し「グー!」の出し方を工夫したらいろんな目線からの笑いができるのになーって思いました。

・黒沢かずこ(森三中)(吉本興業 東京) 千手観音エクササイズ 7点
森三中の黒沢が自分のしたいキャラクターを前面に押し出しながら踊りながらエクササイズをするネタ。腕とお腹、背中とおしり等の各部位をエロチックなポーズ?でエクササイズ。
最後はある音楽に乗ってエクササイズする完成系。まぁ黒沢ならではのワールドが演出されていましたし、これを普段の森三中の時に出せないのがもったいない。

ランス39号(吉本興業 広島) 国語の先生 7点
漢字を使って色々ペンでつけたしながら「こうしたらこう見えるよねー!」ってノリで色々ペンを走らせて笑いを奪ってましたね。
個人的にはちびまる子ちゃんの野口さんのイラストが出てきた時はおもしろかったね。最後のフォークダンスをある漢字で表現したのは芸術性を感じさせられました。お見事です。
去年の2回戦から見たらこれだけ面白くなっていたのはネタが東京向きなのかも知れませんね。

星野卓也(マセキ芸能社) ありえない地名 7.5点
世界の地名などで多くのボケどころを作り、地名を使ってツッコミをするネタ。テンポも良く完成度が高いのですが、あまりに上手にできすぎているのであとでサブリミナル的に襲ってくるフレーズが少ないです。
私などもメモを取っていたので(全部は無理)でも「シムラ」→「アタス」のくだり以外はメモ書き見ても思い出せないからね。大阪のR-1を知っている人に伝えるならば、三歩一みたいな感動的な芸と言ってもいいかも知れません。

芋洗坂係長(トリガープロモーション) 新年会の余興 8点
もしかしたら今日のMVPかもしれません。この中年オジサン何者?って正直思いました。
メタボリックな体系でBOAの歌を確実に踊り狂い、その後ジプシー・キングスの「Volare(ボラーレ)」を使って歌舞伎町でボラレタ歌を歌って場内を感動させる。
締めはマイケルジャクソンの「BAD」にジャパニーズギャグを盛り込んだギャグオンパレードは「正直ありなん?」って思わせる部分はあるけどこのおっさんならOK出してあげたい。
こういう芸人を見れただけでも今日東京へわざわざ足を運んだ価値はあります。

チャンカワイ(ワタナベエンターテインメント) 恋愛風紀委員会 7点
少しぽっちゃり目の学生さんが女の子に惚れてしまう一連のボヤキ!そんな事されたら俺は惚れてしまうだろー!と叫び続けていましたね。
最後のファミレスでの男女共用トイレのくだりは個人的に大爆笑でした。いやはや良かった良かった。

COWCOW山田よし(吉本興業 東京) 五郎さんと一緒7.5点
北の国からの黒板五郎(田中邦衛)のモノマネをしながらの子供番組。
結局「純!(JUN!)」って言いたいだけやねんけど、あれだけ色んな角度から攻められたら笑うしかないですね。
「純!(JUN!)」と「夕張メロン」と「たぬき」だけであれだけ笑えたら愉快な気持ちになれました。

長州小力(西口プロレス) キレテル漫談6.5点
もう十分キャラ的にテレビで根付いた小力さん。ただテレビに出ていなかった時期のネタからあまり変化がないのが会場からあまり笑いが起きなかったのかな?
個人的には久々に生で見れたので良かったけどね。パラパラも多少新バージョンになっていたしね。しかし、観客っていうのは残酷なものだなぁって感じた瞬間でしたね。

ユリオカ超特Q(オイコーポレーション) はげの叫び(漫談)7.5点
流石のベテランやね。話芸が優れています。正直私なんかあまり生で見る機会が少ないからとても新鮮なんですよね。ただ会場的にはどうだったんかな?ちょっと飽きられているのかな?
ただ、ネタとしてはハゲの叫びなんですけど言葉の遊び方であり、スペイン語でのハゲは「ペロン」であったりとネタの切り口が多くありましたね。
飽きさせないテンポは上手ですね。人形の髪の毛が呪で伸びるならば…というくだりは最高でした。

・オードリー若林(ケイダッシュステージ) 野球教室 7点
M-1準決勝で生で見て面白いセンスを感じさせられたオードリーですが、期待通りのネタでしたね。
野球のスイングを首都圏の路線図で例えて指導するネタで、恐らく地元民には面白いはずです。なんせあんまり東京の路線図を理解していない私でも雰囲気とテンポとその設定力に笑ってしまいましたから。
ただ、全国ネットで放送し収録が大阪という意味ではチト厳しいかも知れませんね。
しかし、オードリーは今後もプチチェックは続けたいと感じました。

増谷キートン(吉本興業 東京) 義兄弟の兄貴 7点
もはや飛び道具芸人っていってもいいのかもしれない増谷キートン。よく服を着ていないケースが多いですね(笑)
今日はふんどし姿にギター1本。それで、義兄弟の兄貴へ捧げる歌。まぁネタはご想像に任せますが、一言で言うと「アホ」ですね(笑)

狩野英孝(マセキ芸能社) ホスト風漫談:同窓会 6.5点
「ボクイケ面!」って連呼するホスト風の芸人さん。レッドカーペットしか見たことなかったけど自分の世界を築いてますね。
「スタッフー↑」っていう言い方なんかもほんまにいうホストいてそうやもんね。まぁキャラ的に完成されているので、ネタを拡張するのが難しいかもしれませんね。でも面白いと思いますよ。

・たいがー・りー(SMA) 男子をドキドキさせる 6点
会場と芸人さんのテンションが一番離れていたかもしれませんね。ちょっとツカミの部分でもったいなかったかも。
同じクラスの女子にこんなこと言われたらうれしいなって思う男の妄想。「宇多田ヒカル」の歌を自分の母親が歌っている歌を流していました。
いやはや、いろんな芸人さんがいるものです。

あべこうじ(吉本興業 東京) ナイーブなあべちゃん 7.5点
鼻毛出てデートに来た彼女に対してどういう言い方で気付かせてあげるか?というテーマのもと色々四苦八苦するあべちゃん。
そんな事をナイーブに考えながらうざいキャラを演じる漫談。あべちゃんワールドですね。しかも途中で「そんな女の子だと俺は好きにならない!」と期待を裏切る展開もあるのが良かったです。
さて、今年は決勝残るんでしょうかね?

いとうあさこ(マセキ芸能社) 浅倉南 37歳 7点
37歳になった浅倉南がリボンを使いながら自虐ネタを展開。女性の自虐ネタは、ドン引きになるかそれともバカウケするかの博打だと思うのですが今回は後者になったようです。
「明日行きたいとこは『嫁』!」とか「快楽ホルモンできれいになる」など連続自虐ネタで入り込めました。
いやはや凄い芸人だと思いますよ。

井上マー(吉本興業 東京) 井上マーの漫談7点
前説をたくさんしていると前アメトークで言ってたのを髣髴させるしゃべくり。尾崎豊は封印ですね。
ちなみに設定は、ウイリアムテルのリンゴの矢が顔面に刺さって間もなく死んでしまうという状況での最後の漫談。
ちょっと悲壮感があるのが笑うという脳のセンサーを笑うモードになかなかできないですね。そういう意味では、あれだけ笑わせるのはやはりしゃべりが上手なんでしょうね。設定を違うようにしたらどうなったんでしょうね。

・ウメ(SMA) 紙コント「ガラクタ」7.5点
昨年、決勝戦を生で見て以来のウメさんの紙コント。今日はガラクタがテーマでした。
ネタ的には昨年の内容を「ガラクタ」に変えているだけという評価をする人もいるかもしれませんが、こういう切り口のネタというのは私のツボにはまりやすいんですよね。
しかしウメさんのキャラって不思議系のいい味出ていると思います。

・大輪教授(ケイダッシュステージ) バカデミック数学 7.5点
昨年の決勝では素因数分解していましたが、今日は数学の授業でしたね。
「1・3・5奇数ー!」のツカミは意外性が良かったですよ。数え歌でも結局工業国につながるのは先が読めましたけど、個人的には良かったです。

マナティ(ソーレアリア) 長男の嫁 7点
長男の嫁が姑の告別式に心の中の様子を描写したネタ。世の中の嫁姑問題の最終ゴールでこういう風に思っている嫁がいるかもしれへんなぁって思いました。
「私はハイになり、お母様は灰に」なんて部分はネタふりの段階ではわかるけど、こういうネタは嫌いじゃないですけどね。

・岸 学(ケイダッシュステージ) 24〜CTUジャックバウアー7.5点
ファイナリストですね。ツカミのウガンダはOKでしたね。テレビドラマの24の登場人物ジャックバウアーの真似をしながらルミネがテロリストに侵入されたという設定。
電話がかかってきていろんなボケを繰り返すけど、DEENFIELD OF VIEW など知っている世代が多いフレーズを使ってボケていましたね。
ハッピーターンぽたぽた焼きはMAXのボケどころだったです。ただオチがあまりインパクトなかったのがもったいないないね。

大西ライオン(吉本興業 東京) 冬のキャンプ 6.5点
冬にキャンプへ行くキャンプリーダー「ジーコ」のキャンプでの諸注意。
その後、テントで寝ない子供たち向けのミュージカル「キャンプ」を開演し、最後にはライオンキングという期待通りでしたね。

世界のナベアツ(吉本興業 東京) 3と3の倍数の時だけ○○になる 8点
ジャリズムの渡辺のネタ。まぁみんなもう知っているとおうけど3と3の倍数の時だけアホになったりするネタですが4分間という時間を十分に使ってましたね。
3の倍数に関する言葉に反応するっていう設定なんかもいいものだね。この人は決勝進出させるでしょうね。
とにかく生で見れて良かったです。

徳井義実(チュートリアル)(吉本興業 東京) DJ:サカイタイチ 7.5点
桑名正博風のDJがなにわ東小学校のお昼休みに学校放送をする設定。キャラは完全に桑名さんと一緒。
正直、MBSで桑名正博のラジオを聞いている私としては面白フレーズがちりばめられていましたが、東京のお客さんの前ではちょっとウケが弱いかも知れませんね。
良いキャラづくりしていると思うけどね。

・どくろ団(吉本興業 東京) 避難訓練 7.5点
尺八のモノマネでツカミをしてその後は、避難訓練のコントへ。
校長先生が避難訓練で12分も集合に時間がかかった事を注意する設定ですが、その注意するマイクが調子悪く途切れがち。途切れて聞こえるからなんか面白いフレーズの羅列になるという感じやね。
まぁこんな校長がいる学校は平和でいいんでしょうね。

ネゴシックス(吉本興業 東京) 保育園 7点
保育園に赴任した新任先生のお話。保育園でありそうな物を使ってボケの連続。まぁ数個ネタふりしてボケるというネゴシックスワールドは確立してますね。
個人的には「左官屋ゴッコ」は心に刻まれましたね。

博多華丸(吉本興業 東京) ゴルフをするおっさん 7点
ゴルフ場にいそうなオッサンの形態模写。第25回若葉会に参加するオッサンが、うまい事を言った瞬間に「どや顔」するのがなんか憎めない良いキャラができてますね。
リスがどんぐり二つもってついてますっていう例えは放送ギリギリのフレーズですね。まぁ面白いけど児玉清をはじめて見た時の感動と比較すると厳しいね。

やまもとまさみ(マセキ芸能社) ジェイソンの日常 7.5点
13日の金曜日やのに寝坊してしまったジェイソン。そんなジェイソンがママに色々文句を言ったりするネタでしたね。キラーフレーズは「早くしないと14日の土曜日になっちゃうよー」っていうもの。
しかしママっていうのは、どこでも勝手に洗濯したりするんやね。まぁあり得ない設定ですけど(笑)
このノリで2年連続決勝進出するか?

バカリズム(マセキ芸能社) バライティー番組風病院 7.5点
風邪ひいて診察に来た患者さんをバライティー番組風に対応する病院のコント。
色々診察しているのに患者そっちのけで番組の進行。最後は薬をかけてダーツで勝負。毎年いろんな設定を考える芸の幅はバカリズムワールドですね。いい意味で期待を裏切ってくれるバカリズムのネタ。結構好きですね。

若井おさむ(吉本興業 東京) アムロレイ 6.5点
もう東京進出したんだね。正解だよ。baseの客には若井おさむの世代じゃないから早く東京行けばいいのにと思っていたから良かった良かった。
さてさて、ネタ自体はガンダムアムロレイのモノマネをしていたら「こんなことあったよ」って報告の連続でしたね。こういうネタってガンダム知っていたら3倍以上面白くなるから一度皆さんガンダム見た方がいいですよ。
しかし彼がR-1で段ボールで作ったブーツを履いて登場した頃が懐かしい。

・板倉俊之(吉本興業 東京) テスト 6点
インパルスの板倉。ことわざのテストを答えでボケるネタ。ずっと机とにらめっこしていたんで、カンペでも見てるんやろうなって思いながら見てしまった自分も悪いですがなんか入り込んで笑えませんでしたね。
まぁ後で思い出したので「嵐の前のV6」くらいですかね?でもテレビでてるので人気はありそうな歓声でしたよ。

佐久間一行(吉本興業 東京) アニマルハンター 7点
動物園に動物がいるのはアニマルハンターのおかげ。さっくんワールドでアニマルハンターになるという設定コント。ジープに乗って便利棒をつかいながら悪戦苦闘のハンターぶり。ライオン捕まえる寸劇振りはまさにさっくんの世界。便利棒というやわらかい棒をつかいながらボケ倒す。オチではマンガの次回予告のような演出していたのが、最後の大爆笑。
さっくんワールドに浸り幸せな気持ちになった最後でした。

35人のピン芸人のネタを楽しみました。
11日に大阪で開催される準決勝を踏まえて決勝進出者が決定する予定ですが、正直こっちからたくさん選ばれるんじゃないかな?って思ってます。
とにかく大雪の大阪から来た甲斐がありました。見た事ない芸人さんもたくさん見れましたしね。
ピン芸人のレベルは東高西低と言われても仕方ないですし、その言葉にも納得です。
これを覆すだけのピン芸人が11日に登場してくれる事を期待します。
その11日の大阪準決勝の様子はこちらをご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/royal_partner/20080211

  • 以上-