2005ヤクルトスワローズ戦力分析

今日はセリーグ2位になったヤクルトスワローズの戦力分析です。

■スワローズを去る選手■

【引退】
吉田幸央 →旭中央クラブで現役復帰へ

自由契約
成本年秀  →台湾プロ野球統一への移籍が決定
佐藤秀樹  →台湾プロ野球誠泰への入団
・五十嵐貴章 →米・独立リーグ挑戦へ
・鮫島秀旗  →ブルペン捕手
・トニー・マウンス
ビリー・マーチン
ジェイソン・ベバリン

【トレード】
飯田哲也

【FA宣言】
稲葉篤紀 →メジャー挑戦を断念し、日本ハムへ移籍。

■スワローズに移籍入団する選手■

【外国人新入団】
アレックス・ラミレス・ジュニア(投手・ワーナー・サザン大学休学中)
アダム・リグス内野手エンゼルス

【移籍入団】
・三沢興一   (投手・巨人)

【プロ再入団】
・宇野雅美   (投手・リースキン広島)
→元広島(99年広島を解雇)翌年リースキン広島でアマ復帰

■スワローズに新入団する選手■
【自由獲得枠】
松岡健一 東海大二〜九州東海大 22歳 投手 181cm 81kg 右投右打
 テンポ良く内角をつく投球術は洗礼されており、ストレートと変化球の強弱で打者を打ち取る。現時点では完成された投球ではないので、まだまだ成長する可能性は多いに秘めている。巷では即戦力の呼び声も高いが、個人的には谷間の先発程度の実力と感じる。あとはプロの育成方法でどれだけ化ける事ができるか?

【自由獲得枠】
田中浩康 尽誠学園〜早稲田大 22歳 内野手 179cm 76kg 右投右打
 早くも宮本Ⅱ世としての期待のかかる即戦力。典型的な1・2番タイプの打者である。最大の売りはショートの守備で、セカンドもそつなくこなせる玄人好みの守備の職人。四球を選べる選球眼があり嫌らしさは備わっているが、打撃に特徴があまりない点が気がかり。この打撃面の課題を解決する事で一軍定着、レギュラー獲得へ視界が広がる。守備・走塁は即戦力の実力を持っているので、守備固め・代走などで少ないチャンスを生かしたい。

【4巡目】
川本良平 崇徳〜亜細亜大 22歳 捕手177cm 79kg 右投右打
 スローイングの速さはアマチュア界では屈指のレベル。捕手としての総合力は非常に高い。打撃面に感しては非常に個性的なスイングをしている為に下手な指導者にあたるとフォームを崩しかねる可能性がある。体の軸を安定させる事でロスのない打撃になると思われる。ポスト古田としての期待は大きいと思われるが、果たして打って守れる捕手になれるだろうか?

【5巡目】
・上原厚治郎 興南沖縄電力 21歳 投手 178cm 70kg 右投右打
 最大の売りは外角に投げ込むスライダー。緩急をつけるためのカーブはフォーム改善の余地があり、このままではプロでは厳しいかもしれない。速球の磨きを向上させてスライダーで打ち取るスタイルを確立し、一つでも多くの変化球を習得する事でリリーフとして生きる道を模索したい。強気な性格を生かしてプロで開花してもらいたい。

【6巡目】
丸山貴史 愛工大名電 18歳 投手 181cm 76kg 左投左打
 春の甲子園準優勝投手。大きな曲がり方をするカーブと速球のコンビネーションが最大の武器。また打者に対する投球リズムの「間」が素晴らしいセンスを感じさせる。数年後に1軍で才能を開花させる為に着実に焦らず育成してもらいたい。

※年齢はドラフト時の年齢です。

■戦力分析■

なんだかんだいって4年連続Aクラス入りしているヤクルトスワローズ。接戦をモノにしていた印象が強い。

先発はコマ不足。石川・川島の新人王コンビをを中心にしたいがそれぞれ出遅れている。なんとか開幕には間に合わせなければローテーションが火の車になるだろうと思っていたら、川島が開幕絶望とのニュースがある。開幕前から誤算が発生している。その為ベバリンが退団したので、ゴンザレスを先発として使い、エース藤井も昨年15試合に登板し復活の兆しを感じられているので今年は完全復活を期待したい。また昨年6勝した石堂や鎌田も先発の頭数に入れたい。右ひじ手術のリハビリ中の館山も復活を狙っている。ここにルーキーが食い込んできたらようやく競争が起き良い循環になるだろう。
中継ぎはロケットボーイズの確立で勝ちパターンは計算できる。河端・坂元・三澤・杉本など顔ぶれが中継ぎに控えている。そこに復活を狙う山本・花田・山部など虎視眈々と中継ぎの座を狙っている。また高井などは先発中継ぎとチャンスがあれば存在感を示したいだろう。ストッパー五十嵐、セットアッパー石井で安心できる。ただ全体的に中継ぎが枚数だけ揃っているが、層が薄い印象は拭えない。川端以外の中継ぎエースを確立したい。

打撃面ではラミレス・岩村中心の打撃陣になる。鈴木(健)・古田・宮本とベテランバッターが揃っている。ただ、ここ数年指摘されている岩村以外のレギュラー高齢化が大きな問題と言える。若手を育てながら勝てるほど甘くはない。ただ、稲葉の抜けた穴をユウイチ・志田・青木などが台頭して新外国人のリグスの出番を減らす事ができれば期待ができる。うまく若手へのシフトを図る事も視野に入れた戦いが必要になる。
古田の控えを本気でそろそろ育成しないと数年後に弱小球団になり下がる可能性が秘めている。近年、盗塁阻止率などが著しく低下している古田も今年の8月で41歳になる。そう言う意味では、古田の2000本安打を節目にその後の試合は展開次第で後継者を育てる采配をする必要性を感じる。当面小野以外の若手の捕手に英才教育したいところだろう。

05年オフには岩村・石井がポスティングでメジャー移籍を目指しており、古田などベテランレギュラーの高齢化から今年が本気で優勝を狙える最後のチャンスかもしれない。(戦力の継続や革命的な補強があれば話は別)
4年連続のAクラスの実績を踏まえ、古田が現役のうちにもう一度優勝したいだろう。最終的には「古田」というキーワードがこの球団を左右すると思える。
私はこのチームが最終的に嫌らしい野球をする気がしている。

2005年3月2日

-以上-